枳実と枳殻

経穴ネタから少し離れまして、今回はダイダイについて。
 
お正月飾りの思い出


私の実家では、お正月飾りを作っていました(いまも作っていますが)。
 
子どものころは、ウラジロやゆずり葉などを組み合わせて、小さなお飾りを作っていました。
 
ウラジロの向きを間違えて怒られた記憶があります…。
 
 
お正月飾りを作る専用の作業場は、石油ストーブで温められ、垂れ下がる昆布と畳表の香り漂う、心地よい空間でした。
  
その中には、鏡餅の上に鎮座した橙(ダイダイ)もありました。
 
ダイダイ (1).PNG 

ダイダイの名称の由来は、果実が2~3年にわたって実り続ける(ホント?)ことから、「代々」が転じた「ダイダイ」と名付けられたのだとか。
  
ダイダイ (2).PNG
 
「代々の繁栄」として縁起物となるため、鏡餅に乗せられているんですね。
 
お雑煮などにいれることもありますが、どんど焼きの時に、お正月飾りと焼かれたダイダイを食べたときは、苦くて顔をしかめた記憶があります。
 
枳実と枳殻

 
さて、このダイダイですが、幼果期に採取されたものを「枳実(キジツ)」、未成熟果実のまま採取されたものを「枳殻(キコク)」と呼び生薬として利用します。
 
ダイダイ (5).PNG
 
どちらも帰経は脾胃であり、行気散滞や消積など、お腹に生じた気の滞りを解消する作用があるとされます。
 
ダイダイ (3).PNG
 
作用としては、枳実 > 枳殻となり、より未成熟な方が効能が強いようです(日局だとどちらも枳実とされるようです)。
 
漢方薬では、四逆散や五積散などに配伍されていますね。
 
ダイダイに含まれる精油の主成分 D-リモネンは、鎮静・抗不安・胃潰瘍緩和の作用が認められているようで、脾胃への帰経や、行気作用などの実感がありますね。
  
ダイダイ (4).PNG
 
精油成分が有効であるなら、お雑煮の中にダイダイの皮を入れて、柑橘の爽やかな香りを楽しみつつ、忘・新年会で疲れた胃腸を労ってみてはいかがでしょうか。

この記事へのコメント